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  昨年の住宅産業重大事件
   
 

昨年の住宅産業における重大事件は三つあり、全て「あ」の字で始まるものでした。まず一つ目は、社会問題にもなった「悪徳リフォーム業者」の摘発です。善良なお年寄りをだますこれらの悪人達のお陰でどれだけ真面目な建築業者の方々が迷惑を被ったか判りません。地場できちんと地道にされている建築業者の方々の信用を無くすようなこの卑劣な事件はゆるしがたく遺憾に思うばかりです。

二つ目は、「アスベスト」問題です。
これまで住宅にも屋根材、断熱材として多く使用されたアスベストが、これ程に発癌性があることが改めて判りました。処理方法にも規制がかかり解体作業等も難しくなりました。

そして最後の三つ目は、「姉歯建築士事件」です。
目下司法の手で真相究明がなされていますが、一番お気の毒なのは欠陥マンションを買わされた方々です。今後、真面目な建築業者が住宅を建築される場合でも、施主様から「瑕疵保証」を担保することを要求されることが多くなるでしょう。その意味では住まい夢ネットに登録されている建築業者が取り扱い出来る「瑕疵保証制度」の出番が遅かれ早かれ来たと言うことが言えると思います。この「瑕疵保証制度」をご存知の方も多いとは思いますが、第三者機関が基礎配筋時と中間時に検査を行い合格した住宅に対し、保証機関が引渡し後10年間の瑕疵保証をするというものなのです。

しかし、戸建て住宅市場に暗い話ばかりではないと思います。マンションの場合、今回のように構造に欠陥があったら致命的ですが、戸建て住宅の場合ならそこまで問題が大きくなることも無かったかもしれません。
最近の調査によりますとマンションの購入を考えていた人の3分の2はしばらく購入を控えようとしているそうです。かえって戸建て木造住宅の需要が増えるのではないでしょうか。特に昨今新築住宅を建てられる施主様は所謂団塊ジュニア世代です。仮に35歳の方が公庫のフラット35を借りますと、ローン返済が終わった時は70歳です。収入も年金だけになり、ローンも新たには組めない歳に成る訳です。その時点で構造躯体さえしっかりしていれば、簡単なリフォームで住み続けることが出来ますが、構造躯体に問題があるとそうは行きません。値段だけでマンションや住宅を購入されますと安物買いの銭失いになりはしないでしょうか。やはり設備、内装などリフォームが可能なものから、建築後にはいらえない構造躯体へと建築の重点をシフトすべきではないでしょうか。そのためには多少の価格より、しっかりした、安心、安全な家作りができる建築業者のニーズが高まってくると思います。

最後に昨年末に日経紙に山崎上智大教授が住宅の安全性確保策を提言されていましたので、紹介させて戴きます。
この主旨は第一に住宅の安全性(保険加入の有無、検査結果)についての情報を開示するシステムの構築、第二に施主が保険会社に保険料を払い住宅の構造上の瑕疵に保険をかける制度の導入、第三に建築物に対する固定資産税の撤廃をするべきであるということです。こうすれば建築業者の安全性を保険会社が評価するようになり、問題を出した業者を市場より排除するようになるという提言でした。
この実現性はともかく、かように住宅の安全性への関心が高まっていることを我々は改めて認識しなくてはならないと思います。

住まい夢ネット  理事(N)氏